つぶととろがうちの子になるまでのお話

出逢いは突然やってきた

2016年の5月のこと。

その夜、私は久しぶりに仲良し3人で女子会をしていました。ベトナム料理を食べながらの近況報告会で私は「今度引っ越しすることになったんだ~」などと女友達に報告をしていました。するとネコ好きの友達がいきなり私の引っ越し報告に食いついて、「え?引っ越し?どこに?マンション?ネコ飼えるマンション?超かわいい猫産まれたんだよ!ネコ好きだったよね??」とたたみかけてきました。焦点が合わないほど、私の目の前に掲げられた彼女のスマホにはネコというよりネズミ?リス?ってくらい小っちゃな生き物が2匹写っていました。

見せられた写真に産まれたばかりの2匹の仔猫が写っていることが理解できた瞬間、何故だかなんとも言えない衝撃?衝動の波が押し寄せてきて、私は一瞬にしてすっかり心を奪われてしまったのでした。

うまれたてほやほや!

大怪我をした三毛猫ちゃんのお話

その後ちゃんと落ち着いて友達の話を聞いてみると、彼女がいつもお願いしているキャットシッターさんが江東区で保護ネコ活動をしていて、そこで1匹の大けがを負った白い三毛猫ちゃんを保護したんだという話でした。酷い乱暴をされたのか交通事故に遭ったのか、怪我の原因はわからなかったそうなのですがその幼い三毛猫ちゃんは前脚が酷く骨折してぷらんぷらんになって体も衰弱した状態で保護されたそうです。脚が折れて痛くてぷらぷらになっているのに人間を怖がってシャーシャー威嚇してなかなか保護させてくれなかったそうです。

「メルモちゃん」と名付けられた白めの三毛猫ちゃんは治療のため病院に運び込まれたのですが、その時はまだ衰弱していたので少し体力が戻ったら避妊手術もしようね、ということになったわけです。なんとその時は衰弱して痩せてしまっていたのでお医者さんも気が付かなかったそうなのですが、メルモちゃんはお腹に赤ちゃんがいたというのです!

お腹に赤ちゃんがいることがわかってすぐの4月25日にメルモちゃんは保護ネコさんのおうちで脚を怪我したまま2匹の可愛い、奇跡の仔猫ちゃん姉妹を産んだのです。

この小さな仔猫ちゃんたちの誕生は、怪我を負ったメルモちゃんの生きる支えにもなったそうです。2匹とも(少し小さめでしたが)とっても元気ですくすくとお母さんのお乳と愛情をもらって保護ネコハウス育っていました。

・・・・・と、その話をちょうど聞いたばかりだった友達が、私の引っ越し話をタイムリーに聞いて「これだ!仔猫ちゃんたちの住む家みーっけ!これでみんなハッピーだ!」とひらめき、大興奮で斡旋してきたわけです。(笑)

私:「でも大丈夫かな~。うちこれから引っ越しだからしばらくバタバタするし、旦那さんに怒られないかなあ」

友:「大丈夫!私がちゃんと都合の良いタイミングでもらえるように話つけてあげるから!」

もうこの辺から女子会とかそっちのけの譲渡会状態なのでした。(笑)

 

そしてトントン拍子で話が進む!

勝手に盛り上がった私はすぐにこの子たちが欲しくなり、飼うなら一日でも多く一緒に居たいと思い、出張中だった旦那さんにガンガン写真を送り付け「ねえ、飼っていい?すぐ飼っていい?!」と興奮状態で迫りました。「あのねぇ、引っ越し前にそんなちっちゃな生き物がいたら段ボールにつぶされちゃうでしょう!」とか色々今はダメとか止められましたが、既に私の心は止められなかったので旦那さんも「だめだこりゃ」と納得してくれ(?)「引っ越しした後なら良い」とその日のうちに根負けOKしてくれました。優しい!!アマアマ!笑

保護主さんの意向もあり、姉妹は仲良しなので「引き離さず2匹一緒にもらってくれる人に譲渡したい」ということで、教えてくれた友人の猛推薦も手伝って、仔猫たちは我が家に来ることがすぐに決まりました。

我が家の引っ越しの事情も理解していただき、ちびちゃんたちは乳離れする生後4か月まではメルモちゃんのもとで一緒に暮らし、4か月になったら予防接種をして我が家に譲渡されることとなりました。

ほんとうに楽しかったお迎え準備の夏

ひょんなことから念願のにゃんこを飼うことになり、6月から8月の引っ越しまでは面会に行ったり仔猫ちゃんたちを迎える準備に夢中になりました。毎日どんどんネットで猫グッズを集めてしまい、「引っ越し前に荷物を増やすな!」と旦那さんに怒られる毎日。今思うと完全に浮かれまくってた夏でしたね~。毎日にゃんこを思って指折り数えながら引き受けの日を待つ日々・・・うれしかったな。本当に毎日楽しかった。引っ越しの準備も片づけも一切苦になりませんでした。

ネコちゃんたちを迎える前にまず仔猫について猛勉強をし、ネットの検索ワードは「ネコ」「猫」「子猫」だらけ。新居にはキャットタワーを作り(組み立ては夫が)、トイレもせっかくならとIKEAのキャビネットを改造して自作し(作業は夫がw)二段ベッドを作ったり(やっぱり夫がw)と、人間の居住スペースより猫ライフを快適にすることが優先されていくのでした。何度か会いに行く中で2匹の様子を観察しながら名前も付けてあげましょうということになり、少し小柄なんだけど活発で好奇心旺盛でいたずらっこなキジ三毛ちゃんを「つぶ」ちゃんと命名。おかあさんにぺったり甘えん坊でおっとり目でなんかとろい白三毛ちゃんを「とろ」ちゃんと命名しました。そしてめでたく我が家に「つぶとろ」ちゃんが加わりました~。わーい!

さぁいよいよ我が家につぶとろがやって来る!

そして!そしてそしてそして!ちょうどつぶとろちゃんが生後4か月を迎えた8月25日にネットで購入したかごを持って江東区の保護猫ハウスまでお迎えに行きましたよ!

今までに感じたことのないようなドキドキを感じながらお迎えに行った日の気持ちはきっとずっと忘れないと思います。本当に今思い出しても新鮮に胸がドキドキします。

そして大袈裟じゃなく、私たちの人生はこの日から一変し、幸せで満たされています。

初めのころは私たちも慣れないので、やれ猫が餌を吐いただの、うんちが硬いだ軟らかいだ繋がってるだでいちいち大騒ぎをしていたのですが日を追うごとに意思疎通もできるようになってきた気もするしその微妙な出来事の一つ一つに幸せな瞬間を味わわさせてもらっています。

 

うちで一緒に幸せな家族になるんだよ

うちに来て2か月ほど経った生後6か月ごろ、つぶちゃんが変な声をだすようになって発情期を迎えたので2匹で手術をしてきました。1日の入院でしたが、怖かったらしくみいみいなきながら帰ってきました。2週間ほどレオタード姿で可哀そうでしたが、ちゃんと回復してすぐに元気いっぱいのつぶとろに戻りました。

人間に酷い目に遭わされたメルモちゃんから「絶対に人間を信用してはいけないよ!」と4か月みっちり叩き込まれてきたつぶとろは、本当にしっかりお母さんのいいつけを守って本当に警戒心を強く持っているので知らない人が家に来たらほとんど姿を見せません。飼い主である私たちにでさえ、(ほかの猫に比べると)心を開くのにかなり長期かかったように感じます。

それでもやっぱり家族なので私とだんなさんには甘えてきます。時間はかかっているし、甘える日もそうでない日も日替わりでもあるとはいえ、それでも着実に確実に慣れていって、どんどんどんどん可愛くなります。そのツンデレ具合にも思うつぼでヤラれているわけです。おもちゃで夢中で遊んでても、箱に入りまくっても、おいしいものをムシャムシャ食べてても、私の布団でおしっこしても(!)いつだって可愛いつぶとろなのです。

つぶとろが生まれた2016年春。

私たちは引っ越しする予定もなかったのに、ひょんなことから引っ越しをすることになり、引き寄せられるかの如くつぶとろと出会い、信じられないくらい人生も生活も価値観も変わりました。なんだかとっても不思議なご縁を感じます。メルモちゃんが大けがをして保護されなかったらきっと産まれることすらできなかったかもしれないつぶとろ。今となっては私たちの生活になくてはならない存在となったつぶとろちゃん。出会えたことに心から感謝です。つぶとろ大好き!神様ありがとう!